Magsafe(マグセーフ)とは?充電以外の魅力も紹介

ガジェット用語解説 第1弾は「Magsafe(マグセーフ)」についてです。

Magsafe(マグセーフ)とは、Mac Bookシリーズおよび、iPhone 12以降に搭載された「Apple が開発した磁気技術」です。

Magsafeイメージ

一般的にMagsafe(マグセーフ)という言葉が使われる場合、上の画像のようにiPhoneの背面にMagsafe充電器を磁力でつけて、ワイヤレス充電ができることを指す場合が多いですし、概ね正しいです。

しかし、通販サイトなどでiPhoneのケースや周辺機器を見ていると、Magsafe(マグセーフ)という言葉には色々な意味で使われているのが現状で、混乱しますよね!

そこで今回は、Magsafe(マグセーフ)について、何個かポイントに分けて解説していきますので、よろしくお願いします!

目次

Magsafe(マグセーフ)の歴史

Appleには明確な説明が書いてあるリソースはないですが、Magsafeは磁石で貼り付く充電コネクタのブランド名称で安全に充電するために誕生したことはほぼ間違いないと考えられます。iPhoneのシェアが多いため、Magsafe=iPhoneの機能と考える方が多いと思いますが、実はMacBookを安全に充電するためにMagsafeは生まれたようです。

元々はMacBookを安全に充電するために誕生したMagsafe(マグセーフ)

Magsafeが初めて発表されたのは、2006年1月に開催された「MacWorld Conference and Expo」です。

参考画像:MagSafe 1

元々は、MacBookを固定されたケーブルで充電している際にケーブルに足などを引っ掛けてしまい、ケーブルにつられてMacBookが地面に落下してしまい破損する事例が多々ありました。

Magsafeが採用されてから、誤って足などをケーブルに引っ掛けても、充電コネクタが外れるだけで、MacBookの落下破損を防止することが可能となりました

これが元々のMagsafeの始まりです。現在のMacBook AirやProに使われているのは、「Magsafe 3」まで進化しているようです。

iPhoneのワイヤレス充電を安全にするため誕生したMagsafe(マグセーフ)

iPhoneのMagsafeを解説するためには、予め知っておいて欲しい、必要な情報があります。それは、無線充電規格の「Qi(チー)」です。MagsafeはこのQiの欠点を改善するために生まれた仕組みです。

Qi(チー)とは・・・

Wireless Power Consortium(以下、 WPC)と呼ばれる業界団体が定めた、スマートフォンをケーブルを使わずに充電できる便利な規格です。

語源は、中国語で見えない力を表す「気」の読みから来ています。

Qi(チー)は電磁誘導方式を採用しています。具体的には、充電器(送電用のコイル)とスマートフォン(受電用のコイル)があり、充電器から発生した磁場がスマートフォンのコイルに影響を与え、そこで電流が発生します。この電流がスマートフォンのバッテリーを充電します。

https://www.softbank.jp/sbnew から抜粋

この図でも分かる通り、線を繋がずに充電できるメリットがある一方、誘導電流を発生させるため正しい位置に置かないとうまく充電できないというデメリットがあります。これがかなりシビアです。

Ryo

素晴らしい技術ではあるけど、正確に置けていても、メールとかLINEの通知の振動で位置がずれてしまい、朝起きたら、充電できていないことも・・・

独自デバイス「AirPower」を開発するも失敗する

元々AppleはこのQi規格(AppleWatchはソフト制御が入ってる)を使いつつ、Qiの問題の解消と複数のデバイスを同時に充電するため、複数のコイルを搭載することでパッド上のどこにおいても充電が可能な「AirPower」を開発していましたが中止しました。

なぜ断言できるのか。元々Appleの発表会(2017年9月)にiPhone Xと合わせて「AirPower」の製品化を発表しましたが、待てど暮らせど一切情報が出てこないまま、なかったことにしています。(少なくてもJapan Apple Store HPのNews Roomでの発表はない)

Photo by Justin Sullivan/Getty Images

一部メディアには、当時のハードウェア・エンジニアリング部門のDan Riccio氏が、Appleの高い品質基準に満たないためプロジェクトの中止をしたこと、発表している製品の開発中止をしたことについてお詫びしているようです。

製品化が出来ないと判断された理由は大きく分けると2つのようです。

1.iPhoneやAirPodsはQi規格の無線充電に対応しているが、AppleWatchは異なる規格を採用しているため、異なる2つの規格に対応するためにはデバイスの処理能力やセンサーの強化が必要。それは開発難易度が高く、コストも大幅に増大する。

2.どこに置いても充電ができるように大量の小さなコイル利用する必要があったが、iPhoneとAirPods、AppleWatchを同時に充電すると、AirPowerが加熱しすぎるという問題が発生する。

Magsafe(マグセーフ)の完成

Qiの問題点や、AirPowerのを失敗を経て、2020年にiPhone 12のリリースと併せて、Magsafe(マグセーフ)が発表されます。

特徴としては、Qiの弱点だった、正確な位置に置かないとちゃんと充電ができない問題を解消するために、iPhone内部のワイヤレス充電コイル(下の図ではCharging coil)の外周に磁石(下の図ではMagnet array)が追加されました。

これによって正確な位置にマグネットで吸着するため、簡単に効率性を最大化してワイヤレス充電ができるようになりました。

また、最大充電速度を従来の7.5Wから15Wに増加させたのもポイントです。これにより短時間で充電をすることができるようになりました。さらにEシールドの設計も改善し、充電時の安全面も向上しています。

Ryo

AirPowerではコイルをたくさん配置する試みで技術面やコスト面、熱の問題があったけど、試行錯誤の末、シンプルでよりワイヤレス充電の効率性を最大化させたMagsafeが生まれたんですね!

充電以外にもアクセサリを貼り付ける事ができる

元々はiPhone本体と充電器を磁気で張り付かせることで、ワイヤレス充電の効率性を最大化するためのマグネットが副次的に良い働きをします。

磁気でアクセサリをiPhoneにくっつけることができる点です。これは一度使うとやめられないくらい便利で、使いこなすとQOLをグーンと上げることができます。いくつかに分けて紹介していきます。

着脱可能なスマホリング環境

皆さんはスマホリングをご存知でしょうか?スマートフォンやタブレットなどに貼り付けてリングに指を入れることで落下を防止したり、しっかりホールドできることで安定して操作をすることが可能な便利グッズです。

参考:Bunker Ring

旧タイプのスマホリングは、端末やケースとリングを両面テープでしっかり固定するタイプが多く、背面に付ける必要がありました。気楽にはがせる代物ではありません。

Qiの時代だと、ワイヤレス充電をしたい人はスマホリングを諦める必要がありますし、その逆もしかりです。

しかし、Magsafeなら着脱可能です。ワイヤレス充電をする時はスマホリングを外し、出かけるときはスマホリングを貼り付けるということが可能になっています。

より便利でスマートになるスマホスタンド

スマホスタンドは便利ですが、Magsafeの技術があればもっと便利でスマートになります。

従来のスマホスタンド

今までのスマホスタンドは、大きく分けると、「スマホを置くタイプ」と、「スマホを固定させるタイプ」に分かれると思います。どちらもスマホを持ち上げなくても操作ができたり、コンテンツが見れるのが最大の利点ですよね。

スマホを置くタイプと、固定させるタイプですがそれぞれにメリットとデメリットがあります。

スマホを置くタイプ

メリット

・スマホを置くだけで利用が可能、手軽である。

・物によっては折りたたんで持ち運びが可能

デメリット

・しっかり真ん中に置かないと落下するリスクがある。

・置いているだけなので地面に対して垂直(⊥)などの角度にすると前に倒れてくるため、自由な角度で使うことができない。

スマホを固定するタイプ

メリット

・スマホを固定するため、落下するリスクが低い

・固定しているため、地面に対して水平(=)にすることも可能で、自由な位置で利用ができる。

デメリット

・固定したり、解除するのが手間で少し時間がかかる。手軽ではない。

・固定する部分が画面表示を邪魔する可能性がある。

Magsafe対応スマホスタンド

従来のスマホスタンドでは、手軽に置いて利用を開始することと、落下するリスクを抑えることの2つのメリットを受けることは難しかったですが、Magsafeでは、両者のいいとこ取りが可能です。

Ryo

Magsafe対応スタンドは、磁力強めのものを選んだほうが良いですね!磁力が弱いとちょっとしたことで落下してしまうので注意です!

Ryo

このスタンドは2つ購入するほどお気に入りのスタンドです!後日レビュー記事を書く予定ですので、お楽しみに!

Magsafeに対応したその他のアクセサリ

他のも様々がアクセサリーがあり、気軽にスマートフォンに貼り付けて機能を拡張することが可能です。

まとめ

今回は、Magsafe(マグセーフ)について書きました。

Magsafeは元々は充電を効率化するために開発された技術と考えられますが、磁石があることで様々なアクセサリと張り付き、様々な機能を拡張することが可能ですし、それがかなり気軽にできます。

iPhoneじゃない方でも、磁石がついているケースやMagsafe化するためのキットなどもありますので、是非試してみてはいかがでしょうか?

また、MagsafeはもともとQiから発展したものですが、今度はMagsafeをベースにした「Qi 2」という規格もあり、これはMagsafeと同等の性能がありながら、Magsafeの特許料がかからないため比較的安くワイヤレス充電環境を揃えることが可能な規格です。

Ryo

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
近いうちに「Qi 2」についても書いていきたいと思いますので、お楽しみに!

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